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生活,mono-ihu,人々(後編) 2011年09月16日 mono-ihu トラックバック:0コメント:0

なごやかな雰囲気で始まったインタビュー前半。
それとは打って変わっての流れで繋がっていく後編を公開です。
終盤へ向かうにつれて骨太になっていくたろちん論をお楽しみください!


ライターたろちん(大井正太郎)にインタビュー!(後編)

- たろちん(大井正太郎)
プロフィール:幼少の頃より素直で真面目な子供として育ち、中学2年時に素直に中2病に感染し、それをこじらせて卑屈な人間に成長する。ゲーム実況、ライター、同人誌小説などのカテゴリに属し、生きることの不安を払拭しようと試みるも人並みにメンタルを酷使すること叶わず即死。現在は詩人を自称する事実上の死人。
Twitter:@tarochinko ブログ:おちんちんbelong


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「言葉にはできない感情こそが人なんじゃないかな」

3、震災と変化   

ここからは生活について聞いて行こうと思います。この企画をやるにあたって東日本大震災が一つの大きな契機になったんですけど、たろちんさんは地震の時なにをしてました? 避難したりしました?

たろちん いや、別に避難はしなかったけど、妹の友達が遊びに来てて大騒ぎになったね。親に連絡取ろうと思ったら、もう電話が繋がりませんとか。びっくりだよ。ニュースつけたらえらいことになってて、「これは死ぬのかな」ってちょっと思ったね。

いよいよ来たなって感じはしましたね。

たろちん 死を意識したよね、劇的に。

やっぱりあれは生活における変化だったと思うんです。そこまでいかなくても変化の契機になったと思うんですけど、どうでしょう?

たろちん どうなんだろうね。結局、割とすぐにみんな普通の生活もどったでしょう? 僕たちは大きな被害を受けてないから、それこそ家が無くなっちゃったっていう人たちとはちょっと違うんだろうなと思う。誰か友達とか親せきが亡くなったとかいうことは俺はなかったし。

地震が起きたことで政治だったりへの参加意識も変わったと思うんですよ。

たろちん あの瞬間はたしかに変わった。

今回のフジテレビデモ(8月21日に行われた)も変わり得ないものならばやってないだろうし。

たろちん そういう動きのきっかけの一つにはなったのかもしれないね。


抽象的な質問になってしまうんですけど、この変化は続いていきますか? それとも元の状態に戻ってしまうんでしょうか?

たろちん どうなんだろう。俺はあまり変わらないとは思う。みんな自分の世界のなかで生きてるからさ。特に今なんかテレビを見なくなったっていうのが象徴的に自分の世界へ籠っていくことを表しているんだよね。要するにそれは友達との付き合いの方が自分にとって大きいことだったり、ネットにしたって自分の好きな物を選択して見るってものだから。興味の無いことは入ってこなくなる。変化って大きな力が無いと変化しないじゃない?

そうですね。

たろちん だけど大きな力になるようなテレビとかっていうメディアの力が弱まってきてるとは思うよ。世の中全体が右肩上がりじゃなくなったってのもあるだろうし。フジテレビデモってネット中心じゃない? 要するにテレビへのカウンターだから。ネット中心にしてあれだけの動きになってきたっていうのは、やっとネットの力もそれなりになってきたんじゃないかな。みんな自分でうすうす思っていたことを言葉にしたら、「なんだ君も、そう思ってたんだ!」という違う場所での団結が生まれているのかなぁ、とは思う。それが変化というか、変化への期待なのかもしれないね。


4、メディアの話   

個人のメディアが増えていくことで大きなメディアの穴を探せるようになったと思うんですけど、そこは今後どうなっていくと思いますか?

たろちん やっぱり多様化していく一方な気がするけどね。昔はメディアが限られてたから、テレビとかラジオみたいな大きな力のある媒体くらいしか全体に発信出来なかったじゃない? そして、そこにカウンターをしたい人たちは街頭で学級新聞みたいなビラを配ることぐらいしかできなかったんだよ。それにしたって財力は必要だしね。結局、社会運動にしても団体を作ってデモをすることでしか主張する方法がなかったからデモも盛り上がったと思うんだよ。あれは、きっと参加していた一人ひとりが発信したい人だった気がしていてね。

おお、なるほど。

たろちん もう今はそれが個人でできてしまうから、逆にひとつの場所に集まらなくても自分で言いたいこと言って結構発散できちゃうんだよね。言いたいことがあって、それを言ったら終わり。「スッキリした」って。別にそれで何も社会が変わらなくたって本人がそれをちょっと文句言って、何人かの人が、「そうだね」って同調してくれたら、そこでもう自己承認は満たされて満足出来ちゃうんだよね。

そこからの反転は難しい?

たろちん と思うなぁ。生活に関してだけ言えば一番大事なのって自分なんだよね。なぜなら、それは生活に満足してるとかしてないとかって自分の考え一つだから。それで、「テレビが嘘だ」っていうふうに思ってしまった人はテレビの嘘を暴くことが一つの幸せというか、自分が納得できる結果なんだよ。それこそ韓国が流行ってますよって言われて、素直に韓国の番組をたくさん見て、「あぁ韓国のテレビいいなぁ」って思ってる人はもっと韓国の番組を放送してほしいと思うだろうし。

うんうん。

たろちん その人はそれで生活に満足していて幸せな生活なんだよね。チャン・グンソクを好きになって、「チャン・グンソク最高だ」って思ってる人はテレビで紹介してくれて喜んでいるから。

そうですね。

たろちん ただ問題として、必ずしも視聴率っていう目に見える結果では出ないかもしれないというのがあるんだよ。今までの視聴率に比べて、それが下がってきているのは実際にテレビ局の不安要素として存在しているからね。だけど、その一方でAKBのドラマだって5%・6%で失敗だって言ってるけど、それを数字にしたら何百万人っていう規模でしょ。現在の商業としては上手くいっていないもしれないけど、その商業の規模を縮小してやればまた違う結果になるんじゃないかな。例えばコミケで考えたら何百万人もの人が欲しがってしまうような人気サークルと同じで大きすぎてモンスターみたいな存在になるわけでしょう? 

まさに怪物級だ!

たろちん だから、あれはあれで商業に取り込まれていってるんだけど(笑)。逆に言えば、昔みたいにCDが何百万枚も売れるのは不可能なんだよね。だから市場がニコニコ動画の歌ってみたとかに向かったり、インディーズの情報がたくさん得られるところに向かっているというのは納得がいくんじゃないかな。



5、生活の中で   

なるほど。また大きく話題を転換して、たろちんさんの生活の一部である同人誌制作のことについても少し聞きたいなと思っているんです。今まで梨の本、愛の本、塔の本と出してきて、今度出されたのが「一本くださいな」ですよね?

たろちん はい、それです。

これはまたちょっと今までのシリーズとは変わってる感じですか?

たろちん 結果的になんだけど、できあがってみたらちょっとテイストが違っていたね。「~の本」っていうのも別に最初からそうしようと思ってたんじゃなくて、タイトルを「~の本」で統一したほうが同じサークルで筋が通ってるよねっていう話だったんだよ。でも、一番最初ってタイトルから入るから大事な部分だし、あんまり自分達で自分達を縛る必要もないかなと。その本に合ってるのを付ければいいんじゃないかってなって、ちょっと変えてみました。

あらすじなんかも教えてもらえると。

たろちん 今まではテーマとかそういうものを設定して二人で作っていたんだけど、今回はテーマが無いというか、メッセージを設定していないんだよね。


というと?

たろちん 今までだと愛をテーマにするとかスカイツリーについてそれぞれが考えてみるとかだったんだよ。梨はよくわからないけど(笑)。今回はそういうことではなくて、最初にくらっぺ君<*1>が独自に考えていたネームを見せてもらって、良いなと思ってね。その漫画は特に何かが起こるわけじゃないんだ。ニートの青年がいて、その妹が風邪をひいて寝ているのね。それで暇なニートの青年が妹のために夜道をテケテケ歩いていってワンタンを買って帰ってくるというだけのストーリーなんだ。

ほう・・・。

たろちん その中で人とすれ違ったりとか些細なことがあるだけなんだけど、それがすごく良かったのね。これは言葉にするとすごく説明しづらいんだけど、そこに言葉にはできない感情みたいなものがそのまま描いてあって、意図してメッセージを込める必要はないと俺は思ったんだよ。それこそが人なんじゃないかなって、そういうことの方が人生ってよっぽど多いのかなって。ドラマにならないようなすぐ忘れちゃうようなことがね。でもそこで人は毎日喜んだり悲しんだりしてて、っていうのが良いなって思って、そういう本にしました。

よくわかりました。では次で最後の質問になります。すごく乱暴なんですけど、たろちんさんは今後どうなっていくんでしょうか?

たろちん わかんないけどねぇ。生活ってどうしてもお金なわけでさ。そのお金を稼ぐってことと表現が一致すれば、もちろんそれが一番いいんだけど。でも、お金を稼ぐってことは自分の言いたいことを言うっていうことじゃなく、みんなが聞きたいことを言うっていうことだからね。受け入れられなければいけないから。

うん、そうですね。

たろちん そのためにはみんなが反発するような表現をしてしまったらお金にならないってことがある。でもそれは絶対的な二者択一の選択肢ではないと思うんだよ。俺の言いたいことを言って受け入れてくれる人が少数でもいるなら、それがどれだけのお金になるのかはわからないけどやっていけばいいし。お金にならないのであれば趣味で終わるよね。だからまぁ、仕事したりするんじゃないかな(笑)。

ありがとうございました!たろちんさんっぽい締めでした(笑)。




<*1>倉金篤史さん・・・サークル「宵待ち坂」でたろちんとコンビを組む漫画家。



あとがき

大学に入学したてのころ、浪費する時間を顧みずにニコニコ動画へとのめり込んだ。とりわけ没頭したのが「実況プレイ動画」だ。学校で部活には所属していたが人間関係(こう書くと大げさになってしまうけど)には面倒くさいことが多く、少し距離を置いていた僕は屈託のない様子で友人とゲームで遊ぶプレイヤーたちに羨望の眼差しを向けていた。それから数年が経ち、過剰だった熱も冷め始めていた時にひょんなことで当時憧れていた実況者の一人に出会うことになった。それがたろちんさんだ。
そして今回、このタイミングでインタビューを公開することになろうとは想像もしていない事だった。授業を蔑ろにして落とした単位は数知れず、親には申し訳ないという気持ちだけしか出てこない。だけど、パソコンの前で一喜一憂していた感情は今後も忘れることがないと思う。インタビュー中の言葉を借りて言うならば、それが僕という人間の根の部分に違いないはずだから。

最後になりますが快くインタビューを受けてくださった、たろちんさん。はっぱをかけてくれた友人たち。記事に目を通してくれたみなさん。本当にありがとうございました!

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